■1-4 EPS画像の分割はどういう仕組みで発生するのか
EPS画像がPDF保存時に分割化されるとき、規則性はあるのでしょうか。EPS画像のすべてが分割化されるわけではありません。おおむねファイルサイズの大きい画像、解像度の高い画像ほど分割される可能性も高くなります。画像を分割するとき、規則性はあると考えられます。
また、サービス&サポートFAQ情報の[文書番号229049]の「追加情報」には
EPS 画像の解像度が 72 dpi 以下の場合、この問題は発生しません。
と書かれていますが、解像度の「72 ppi」の画像でもIllustrator上で縮小した画像はどうなるのでしょうか。分割されるのでしょうか。
まず、画像の規則性ですが、分割されるときのファイルサイズには規則性があります。Illustrator CSとCS2はEPS画像をPDFに埋め込むとき、
1MB以下の画像に分割
します。逆にいうと1MB以上のEPS画像はPDF保存時に分割されます。分割された画像をAcrobatで選択して、TouchUpオブジェクトツールを使ってPhotoshopで開いてみます。開いてみると、画像のファイルサイズがどの画像も1MB弱になっていることがわかります。
ただし、画像によっては数百KBしかない場合もあります。そういう画像も、PDF保存時にダウンサンプルせずに書き出すと、分割された画像は1MB未満のサイズで分割されていることがわかります。ダウンサンプルした設定で書き出しても、ダウンサンプルしない設定で書き出しても、分割される画像の大きさはほぼ同じです。
つまり、Illustratorはドキュメント内にEPS画像があるとき、まず、画像が圧縮されている場合は解凍するのです。そして1MB未満の横長サイズの画像に分割するのです。そしてその後、PDF保存時の圧縮パネルにしたがって、分割された画像をダウンサンプルや圧縮を行うのです。
解像度の「72 ppi」というのは、Photoshopで指定するファイルサイズのことではありません。「350 ppi」で貼り込めば分割される画像の解像度をPhotoshopで[画像の再サンプル]せずに「72 ppi」に変換してIllustratorに貼り込みます。Illustrator上で縮小してレイアウトすると、PDF保存時にはやはり、画像は分割されます。つまり、Illustrator上の実寸法が「72 ppi」の場合には、分割されないということのようです。
しかし、Photoshopのファイルサイズが約15MBある画像を解像度「72 ppi」のままでIllustrator CS2に貼り込み、PDF保存してAcrobatで開くと、画像はやはり分割されています。解像度が「72 ppi」のままであっても、ファイルサイズが1MBを超える場合はEPS画像は分割されます。
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